フィンガーペイントのお絵かきセット「アトリエ ミオ」に取り入れた、イタリアのアート教育とは?
「アトリエ ミオ」は、フィンガーペイントの絵の具とお絵かき帳がセットになった、
新しいスタイルのお絵かきセットです。
指で描ける柔らかさの絵の具と、
優しいカラーと抽象的なシルエットが施されたお絵かき帳がセットになっています。
そんな「アトリエ ミオ」の開発では、イタリアのアート教育である
「レッジョ・エミリア・アプローチ」の考えにインスパイアされ、
商品の特徴やコンセプトに大きな影響をもたらしました。
そこで、「レッジョ・エミリア・アプローチ」がどんなアート教育なのか?
「アトリエ ミオ」ではそのどんなエッセンスを取り入れたかについて、ご紹介します。
レッジョ・エミリア・アプローチとは
「レッジョ・エミリア・アプローチ」は、
世界中の多くの幼児教育の現場にて取り入れられているアート教育のアプローチです。
アメリカの名だたる大企業の幼児施設などでも取り入れられ、近年注目されています。
レッジョ・エミリア・アプローチの特徴は、
「手法ではなくあくまでも方向性を示すアプローチ」であるということです。
例えば、有名な「モンテッソーリ教育」のように、教員の認定資格や教具といったものはありません。
あくまで子ども達との関わり合いの方法としてのアプローチが発信されています。
子どもたち一人ひとりの意思や個性を尊重し、
個々の感性を生かすことが最も重要であるという理念のもと、
子どもの表現力やコミュニケーション力、探究心、考える力などを養う教育現場をつくりあげています。
また、共同プロジェクトなどを取り入れ、自立性・創造性・問題解決能力などを育むことにも
高い評価を受けています。
「アトリエ ミオ」で特に大事にした5つのポイント
- 自分で考えさせる。子どもの気づきや興味を大事にする。
- 大人が指示するのではなく、見守り、助ける。
- 大人と子どもが対等にコミュニケーションをとれるものにする。
- 制作物を掲示して振り返りができるものにする。
- 芸術活動に必要な用具や材料を揃える。
このようなポイントを、商品の開発に取り入れてきました。
それに加え、実際に「アトリエ ミオ」を使ってお絵かきをする時には、
心構えとして上記のポイントを知ってもらうことも大切だと考えています。
そこで、商品のパッケージやWebサイトでの説明にとどまらず積極的に体験ワークショップを行い、
スタッフから直接親御さんに説明をさせていただいたり、子どもたちに声かけをしたりしています。
体験ワークショップの様子
2021年5月、二子玉川にある蔦屋家電+(プラス)にて、
「アトリエ ミオ」体験ワークショップを2回実施し、大変好評いただきました。
体験ワークショップでは「アトリエ ミオ」のお絵かき帳から好きなページを選んでもらい、
ページに施された抽象的なシルエットを見て「何に見えるか?」
を考えてからお絵かきを始めるという流れで取り組んでもらいました。
お子さんがお絵かきする様子を後ろから見ている親御さんの中には、
「これ〇〇の形だね」
「〇〇の形だから、緑で塗ったら?」
などと先に声をかけてしまう場面もありました。
待っている子どもたちもいるので、
親御さんとしては早く取り組ませたいと思われたのかもしれません。
しかし、私たちが「レッジョ・エミリア・アプローチ」から取り入れた、
「自分で考えさせること、子どもの気づきや興味を大事にすること」
を実践してもらいたいと考え、その後は事前に親御さんへの説明を心がけました。
「まず、シルエットが何に見える?と問いかけてください。
なかなか答えないお子さんもいますが、じっくり考えているところです。
急かすのは堪えて、大人から答えを与えずに、見守ってください。」
「このシルエットには正解がありません。何を描いてもいいのです。
上手、下手という評価ではなく、考えたことや表現しことについて聞いてみてください。」
こんな風に声かけをしたところ、親御さんたちはすぐに納得してくださり、
口出しせずに見守っていらっしゃいました。
描く道具を与えれば、絵を描くことが好きな子どもは勝手に描き出します。
けれど、お絵かきが好きな子も、そうでない子も、
大人の声かけや見守る姿勢次第でこれまでとは違うアプローチをします。
体験ワークショップによって、「子どものお絵かき」に対して大人がどう接するかで、
その体験が変化することが分かりました。
ただの「お絵かき」であっても、そこには子どもの小さな発見がたくさん詰まっています。
その発見を見つけて、共有し、創造力を養う…
そんな親子のお絵かき体験をサポートできるよう、今後も「アトリエ ミオ」を通じてお絵かきの楽しさを
発信していけたらと願っています。